Tokuzeのコラム

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電子書籍

第149回直木賞候補作の電子書籍化を検証する!

このほど第149回直木賞の候補作が発表されました。
候補作は次のとおりです。定価は単行本の価格です。
【第149回直木賞候補作】
伊東 潤「巨鯨の海」(光文社刊) 定価1,680円
恩田 陸「夜の底は柔らかな幻」(文藝春秋刊) 定価1,680円(上下各巻共)
桜木紫乃「ホテルローヤル」(集英社刊) 定価1,470円
原田マハ「ジヴェルニーの食卓」(集英社刊) 定価1,470円
湊かなえ「望郷」(文藝春秋刊) 定価1,470円
宮内悠介「ヨハネスブルグの天使たち」(早川書房) 定価1,575円

ベストセラー作家の湊かなえさんの作品が初ノミネートというのが意外ですが、他の方はここ最近は常連という感じですよね。
それにしても恩田陸さんは十分な実績からも、いまさら感があるのは私だけでしょうか。

さて、今回はこれらの候補作を電子書籍で購入できるのかを検証してみました。
電子書籍サイトが乱立していますし、扱う品揃えもサイト毎に異なっていますから注目です。
直木賞の候補作でサイトの実力を判定してみたいと思います。(平成25年7月6日現在の検証です。)
(追記)第149回直木賞の発表の前週に恩田作品が電子化されましたので平成25年7月14日現在の内容に改めました。

取り扱いがあれば
なければです。

◎電子書店パピレス
伊東 潤「巨鯨の海」           
恩田 陸「夜の底は柔らかな幻(上・下)」 
桜木紫乃「ホテルローヤル」           
原田マハ「ジヴェルニーの食卓」      
湊かなえ「望郷」                     
宮内悠介「ヨハネスブルグの天使たち」    
<評価>
候補作6作品すべてが販売されていませんでした。残念!

◎eBook.Japan
伊東 潤「巨鯨の海」 1,260円(off 420円)
恩田 陸「夜の底は柔らかな幻(上・下)」
桜木紫乃「ホテルローヤル」 1,100円(off 370円)
原田マハ「ジヴェルニーの食卓」電子特別版  1,100円(off 370円)
湊かなえ「望郷」                     
宮内悠介「ヨハネスブルグの天使たち」   
<評価>
6作品中3作品が販売されていました。
なお、原田マハ「ジヴェルニーの食卓」の電子特別版は、物語に登場する巨匠達の名画を収録という、電子書籍ならではの特典付きです。

◎amazon Kindoleストア
伊東 潤「巨鯨の海」 1,260円(off 420円)
恩田 陸「夜の底は柔らかな幻(上・下)」 各1,400円(off 各280円) 
桜木紫乃「ホテルローヤル」 1,100円(off 370円)
原田マハ「ジヴェルニーの食卓」電子特別版   1,100円(off 370円)
湊かなえ「望郷」                     
宮内悠介「ヨハネスブルグの天使たち」 1,350円(off 225円)
<評価>
さすがamazonです。6作品中5作品が販売されていました。
宮内悠介「ヨハネスブルグの天使たち」が最安値でした。

◎Sony Reader Store
伊東 潤「巨鯨の海」 1,260円(off 420円)
恩田 陸「夜の底は柔らかな幻(上・下)」 各1,400円(off 各280円)
桜木紫乃「ホテルローヤル」 1,100円(off 370円)
原田マハ「ジヴェルニーの食卓」電子特別版  1,100円(off 370円)
湊かなえ「望郷」                      
宮内悠介「ヨハネスブルグの天使たち」 1,418円(off 157円)
<評価>
6作品中5作品が販売されていました。
品揃えはamazonと同じですが、宮内悠介「ヨハネスブルグの天使たち」の販売価格がamazonよりも高く設定されています。

◎楽天Kobo 電子ブックストア
伊東 潤「巨鯨の海」 1,260円(off 420円)
恩田 陸「夜の底は柔らかな幻(上・下)」 各1,400円(off 各280円)
桜木紫乃「ホテルローヤル」 1,100円(off 370円)
原田マハ「ジヴェルニーの食卓」電子特別版   1,100円(off 370円)
湊かなえ「望郷」                      
宮内悠介「ヨハネスブルグの天使たち」 1,418円(off 157円)
<評価>
6作品中5作品が販売されていました。
Sony Reader Storeと品揃え、価格とも全く同じです。

◎BookLive
伊東 潤「巨鯨の海」 1,260円(off 420円)
恩田 陸「夜の底は柔らかな幻(上・下)」 各1,399円(off 各281円)
桜木紫乃「ホテルローヤル」 1,100円(off 370円)
原田マハ「ジヴェルニーの食卓」電子特別版   1,100円(off 370円)
湊かなえ「望郷」                      
宮内悠介「ヨハネスブルグの天使たち」 1,417円(off 158円)
<評価>
6作品中5作品が販売されていました。
宮内悠介「ヨハネスブルグの天使たち」と
恩田 陸「夜の底は柔らかな幻(上・下)」の価格設定がSony Reader Storeや楽天Koboよりも1円安く設定されていました。

◎紀伊国屋書店ウェブストア
伊東 潤「巨鯨の海」 1,260円(off 420円)
恩田 陸「夜の底は柔らかな幻(上・下)」 各1,399円(off 各281円)
桜木紫乃「ホテルローヤル」 1,100円(off 370円)
原田マハ「ジヴェルニーの食卓」電子特別版  1,100円(off 370円)
湊かなえ「望郷」                      
宮内悠介「ヨハネスブルグの天使たち」 1,417円(off 158円)
<評価>
6作品中5作品が販売されていました。
BookLiveと全く同じです。宮内悠介「ヨハネスブルグの天使たち」と
恩田 陸「夜の底は柔らかな幻(上・下)」の価格がSony Reader Storeや楽天Koboよりも1円安く設定されています。

◎iBookstore (※ios端末でibookアプリを使用してログイン)
伊東 潤「巨鯨の海」 1,300円(off 380円)
恩田 陸「夜の底は柔らかな幻(上・下)」 各1,400円(off 各280円)
桜木紫乃「ホテルローヤル」 1,100円(off 370円)
原田マハ「ジヴェルニーの食卓」電子特別版   1,100円(off 370円)
湊かなえ「望郷」                      
宮内悠介「ヨハネスブルグの天使たち」 1,500円(off 75円)
<評価>
6作品中5作品が販売されていました。
伊東 潤「巨鯨の海」と
宮内悠介「ヨハネスブルグの天使たち」が他店よりも高めに価格設定されています。

◎電子文庫パブリ
伊東 潤「巨鯨の海」 1,260円(off 420円)
恩田 陸「夜の底は柔らかな幻(上・下)」 各1,399円(off 各281円)
桜木紫乃「ホテルローヤル」 1,100円(off 370円)
原田マハ「ジヴェルニーの食卓」電子特別版   1,100円(off 370円)
湊かなえ「望郷」                      
宮内悠介「ヨハネスブルグの天使たち」
<評価>
6作品中4作品が販売されていました。
他店で販売されている宮内悠介「ヨハネスブルグの天使たち」が販売されていません。

◎電子書籍ストアhonto
伊東 潤「巨鯨の海」1,260円(off 420円)
恩田 陸「夜の底は柔らかな幻(上・下)」 各1,400円(off 各280円)
桜木紫乃「ホテルローヤル」1,100円(off 370円)
原田マハ「ジヴェルニーの食卓」電子特別版  1,100円(off 370円)
湊かなえ「望郷」                       
宮内悠介「ヨハネスブルグの天使たち」1,418円(off 157円)
<評価>
6作品中5作品が販売されていました。
Sony Reader Storeや楽天koboと全く同じ構成・価格設定です。

さて、今回は電子書籍サイトの品揃えを直木賞候補作で検証してみましたが、やはりamazonやSonyのような大手の販売サイトは充実している印象です。

なお、湊かなえさんの候補作は電子化されていませんでした。(平成25年7月14日現在)

また、電子書籍の価格設定はほとんどのサイトが同じでしたが、一部作品については価格差がありましたから、購入時には注意が必要だと思います。
いずれにしても、今回販売されている電子書籍は単行本で購入するよりもかなり安価に設定されていますからお買い得です。
因みに今回の候補作の中で電子化されている4作品を単行本で購入すると9,555円ですが、電子書籍の最安値で購入すると7,608円で、なんと1,947円もお買い得になります。
電子化されていない
湊かなえさんの「望郷」が1,470円ですから購入出来てしまいます。 

amazonのkindleが日本語書籍の取り扱いに参入するなど、ここ1、2年で取り扱われる電子書籍の量がかなり増えてきましたが、村上春樹や百田尚樹など多くの人気作家の作品が電子化されていません。
(数年前に村上春樹の人気作品の「1Q84」がApp Storeで販売されたことがありましたが、もちろん違法販売でした。何故、appleの審査が通ったのか不思議ですけどね。)

書籍の電子化については著者の意向もありますから出版社の考えや取り組みだけで進めることは難しいと思われますが、電子書籍をスマートフォンやタブレット、専用端末で読むというスタイルが定着しつつありますから、ぜひ、多くの本が電子化されることを望んでいます。
(SonyのReaderアプリをios端末に対応して欲しいと思うのは私だけでしょうか。ぜひ対応をお願いしたいものです。)

※上記の電子書店名は販売サイトとリンクしています。電子書籍のフォーマットが対応する機器・アプリについて十分に確認の上、自己責任で購入してください。また、今回の記事の内容は平成25年7月6日現在の情報です。各サイトの書籍の取り扱い状況や価格は今後、変動しますのでご了承ください。

直木賞について知りたい方は、このサイトがオススメです。「直木賞のすべて」
第149回直木賞の選考会は平成25年7月17日に開催されます。

京極堂、待望の電子書籍化。幻の次作も刊行予定!?

「この世には不思議なことは何もないのだよ。関口君。」

ビッグニュースが飛び込んできました。
古書店の店主で拝み屋でもある京極堂(中禅寺秋彦)を探偵役としたあの百鬼夜行シリーズがいよいよ電子書籍化されたのです。
第1弾は『姑獲鳥の夏』『百鬼夜行 陰』の2作品。3月16日(金)から配信されたので、早速、『姑獲鳥の夏』を購入してしまいました。
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▲愛用のSONYのReaderに取り込みました。

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『姑獲鳥の夏』は2分冊化されており、1は配信記念価格でなんと170円です。

今後は、次々と配信されとのことで、うれしいことに
『邪魅の雫』(2006年9月)以降、いつ出るのかと期待されていながらも刊行されていなかった京極堂の幻の次作『鵼の碑』(ぬえのいしぶみ)が、なんと刊行予定に入っているのです。そして発売日も近日決定とのこと。
京極堂ファンにとっては感涙の情報ですよね。
詳細はこちら→京極堂電子百鬼夜行

そして、京極堂電子百鬼夜行のHPでは、「電子書籍に革命を起こすプロジェクトが密かに進行中」とアナウンスされていました。密かに進行中なのに、しっかりとアナウンスするなんて講談社さん、期待して良いんですよね!

これで、あの超分厚い辞書のような本を手軽に持ち歩くことが出来ることとなりました。電子書籍の大きなメリットですね。
京極堂の新書版をカバンに入れて持ち歩く勇気は私にはありません。持ち歩くのは、せいぜい文庫の分冊版でしょう。
キンドルという黒船到来間近の日本の電子書籍業界ですが、黒船の前に、この京極堂電子
百鬼夜行シリーズが電子書籍業界に大きな流れを作る予感が、そこはかとなく漂ってきたのでした。

「りん、と風鈴が鳴った。」
『鵼の碑』(ぬえのいしぶみ)が、またまた幻にならないことを切に願っています!
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